口腔・栄養スクリーニング加算とは何か

口腔・栄養スクリーニング加算は、介護保険の特養・通所系サービスにおいて、入所者・利用者の口腔機能と栄養状態を6ヵ月に1回スクリーニングし、必要な情報を計画に反映することで算定できる加算です。単位数は加算I(20単位/回)と加算II(5単位/回)に分かれ、実施の有無が記録で明確に確認できることが要件になっています。

特養や通所介護の現場では、この加算の算定漏れが実地指導・監査で頻繁に指摘される項目のひとつです。障害福祉サービスであるGH(グループホーム)はこの加算の対象ではありませんが、“入居者の健康状態を定期的にスクリーニングし記録する”という運用の型は、GHの医療連携体制構築や都加算の質を高める上で非常に参考になります。

なぜGH管理者がこの加算の仕組みを知るべきか

GHの入居者の多くは精神疾患に加え、服薬の副作用による口渇・食欲低下、生活リズムの乱れによる低栄養リスクを抱えています。特養における口腔・栄養スクリーニングの運用ロジックを応用すれば、以下のメリットがあります。

項目特養での位置づけGHでの応用
スクリーニング頻度6ヵ月に1回体重・食事量を月1回記録
記録の要件様式への記入・保管個別支援計画への反映
多職種連携管理栄養士・歯科医と連携精神科医・PSW・訪問看護と連携
加算算定の根拠記録の有無で判断医療連携加算の実施記録の裏付けに

特養で起こる算定漏れの典型パターン

実地指導で指摘される算定漏れには共通のパターンがあります。GHの記録整備にもそのまま当てはまるため、先に把握しておくことが有効です。

  1. スクリーニング実施記録が期日から抜けている(6ヵ月周期の管理漏れ)
  2. 担当者(誰が測定・記録したか)が記載されていない
  3. 異常値が出た際の対応・連携記録が残っていない
  4. 計画書へのフィードバックがされていない(記録と計画が連動していない)
  5. 家族・本人への説明記録が欠落している

これらは「記録の型」が決まっていないために起こります。GHでも同様に、都加算や医療連携体制加算の算定根拠となる記録が曖昧なまま運用され、運営指導で指摘を受けるケースが少なくありません。

GHで使える算定漏れ防止チェックリスト(12項目)

記録・体制面

  • 入居者全員の体重・食事摂取量を月1回記録しているか
  • 記録担当者(世話人・生活支援員)が明確に決まっているか
  • 記録用フォーマットが統一されているか
  • 異変(体重減少・食欲不振)を発見した際の連絡フローが文書化されているか

医療連携面

  • 精神科オンライン診療・訪問診療の記録に栄養・口腔状態の項目があるか
  • 服薬による口渇・食欲変化を医師に共有する仕組みがあるか
  • 都加算(精神科医療連携体制加算330円/日)の算定根拠となる連携記録が残っているか
  • 精神保健福祉士が栄養・口腔情報を個別支援計画に反映しているか

計画・監査対応面

  • スクリーニング結果を個別支援計画の見直しに反映しているか
  • 家族・本人への説明・同意記録があるか
  • 記録の保管期間・保管場所が運営規程と一致しているか
  • 過去6ヵ月分の記録を横断的に確認する内部チェック日を設けているか

医療連携加算の質を高める仕組みづくり

口腔・栄養の状態把握は、単独の業務としてではなく、都加算(精神科医療連携体制加算330円/日)や夜間支援体制加算などの運用と一体化させることで、記録の抜け漏れを防ぎやすくなります。株式会社Anchorが提供する精神科オンライン診療(月2回)や都加算届出支援では、診療記録のテンプレートに栄養・体調変化の項目を組み込み、算定根拠となる記録を自動的に蓄積できる体制づくりを支援しています。夜間オンコール(15名体制)とも連動させることで、夜間の体調変化にも医師の判断を仰ぎやすくなり、記録の一貫性が保たれます。

まとめ

  • 口腔・栄養スクリーニング加算はGHの直接算定対象ではないが、記録の型は算定漏れ防止に応用できる
  • 特養での算定漏れは「記録担当者不明確」「異常時対応の記録欠落」が典型パターン
  • GHでは月1回の体重・食事記録、医療連携記録との連動が算定漏れ防止の鍵
  • 都加算や医療連携体制加算の質向上にも、栄養・口腔状態の記録整備は直結する
  • 記録テンプレートの整備は自前で行うより、専門家の支援を受けることで運用が安定する