「体験利用支援加算」という加算は共同生活援助にありません

体験利用の資料を探すと必ず出てくるのが「体験利用支援加算」という名前ですが、共同生活援助(障がい者グループホーム)の報酬の一覧を見ても、この名前の加算は見つかりません。

同じ名前の加算は生活介護・自立訓練・就労移行支援などに置かれているもので、共同生活援助のものではありません。他サービスの資料を流用すると、そのまま誤った請求につながります。

「短期利用加算」も共同生活援助にはありません。これは短期入所(ショートステイ)に置かれた加算です。

体験利用は、加算ではなく基本報酬で扱います。

体験利用の基本報酬は共同生活援助サービス費(Ⅱ)

告示第523号 第15の1に、体験的な利用のための区分として共同生活援助サービス費(Ⅱ) が置かれています。障害支援区分ごとの単位数は次のとおりです。

障害支援区分単位数(1日につき)
区分6717単位
区分5569単位
区分4481単位
区分3410単位
区分2290単位
区分1以下273単位

令和8年6月1日以降に新規指定された介護サービス包括型・日中サービス支援型の事業所では、この所定単位数に1000分の972を乗じた単位数になります。既存事業所は従前どおりです。

日数の上限は「1回当たり連続30日以内・年50日以内」

告示第523号 第15の1の注3で、体験的な利用の日数は 1回当たり連続30日以内、かつ年50日以内と定められています。

  • 「1回当たり」と「年」の2つの枠があり、どちらも超えられません
  • 受入れの前に、その方の年間の残日数を必ず確認します。他事業所での体験利用を含めた通算になるため、相談支援専門員と突き合わせておくと安全です
  • 上限を超えた日は体験利用として扱えません。本入居の契約に切り替えるのか、いったん終了するのかを事前に決めておきます

行動関連項目10点以上なら強度行動障害者体験利用加算

体験利用で上乗せできるものとして、強度行動障害者体験利用加算 400単位/日があります。対象は行動関連項目の合計点が10点以上の方です。

強度行動障害のある方の受入れには、支援者側の準備も要ります。強度行動障害支援者養成研修は基礎研修が12時間、実践研修が12時間で構成されており、実施主体によってはこれを上回る時間数で行われます。体験利用の受入れを想定するなら、研修修了者の人数から逆算して計画してください。

収入の計算例

1単位10円と仮定して計算します(単位単価は地域区分で異なるため、自事業所の単価に置き換えてください)。

例1:障害支援区分4の方を連続14日受け入れる場合

  • 481単位 × 14日 = 6,734単位 → 67,340円

例2:例1の方の行動関連項目が10点以上の場合

  • 400単位 × 14日 = 5,600単位
  • 6,734 + 5,600 = 12,334単位 → 123,340円

例3:年間の上限50日を使い切った場合(区分4)

  • 481単位 × 50日 = 24,050単位 → 240,500円

「空室を埋める」目的で考えると上限に早く届いてしまいます。本入居につながる見込みのある方から順に枠を使う、という設計のほうが結果的に稼働は安定します。

計画と記録は体験利用でも抜かない

個別支援計画が作成されていない期間には減算がかかります。作成されていない期間が3月未満の場合は所定単位数の100分の70、3月以上の場合は100分の50です。日中サービス支援型・外部サービス利用型でも同じ率です。

体験利用の期間中にどこまでの計画・記録が求められるかは運用に幅があるため、受入れ前に指定権者(都道府県・市区町村)へ確認してください。 併せて、体験利用の開始日・終了日、通算日数、本人や家族への説明の記録を1つの台帳にまとめておくと、運営指導での説明が楽になります。

まとめ

  • 共同生活援助に体験利用の加算は無く、体験利用は基本報酬(共同生活援助サービス費(Ⅱ))で扱う
  • 単位数は区分6が717単位/日、区分4が481単位/日など、障害支援区分ごとに決まっている
  • 日数は1回当たり連続30日以内・年50日以内。通算の残日数を受入れ前に確認する
  • 行動関連項目10点以上の方には強度行動障害者体験利用加算400単位/日がある
  • 個別支援計画が無い期間は所定単位数の100分の70または100分の50になる

出典